AUROCHS

オーロックス(AUROCHS)とは?家畜ウシの祖先でありラスコー壁画の牛

オーロックスは家畜ウシの原牛であり、1627年に絶滅したウシ科の動物です。

紀元前2万年~紀元前1万年にクロマニョン人によって描かれたとされるラスコーの壁画や、化石骨・写生画が見つかっています。

オーロックスとはどのような動物だったのか?特徴や残されている資料・絶滅した理由・日本で見つかっている化石骨について、みていきましょう。

さらに、弊社「studio. (スタジオドット)AUROCHS事業本部」が、なぜ「オーロックス」を由来に名付けたのかも、お伝えしていけたらと思います。

オーロックスとは?

オーロックス(英語:Aurochs、学名:Bos primigenius)は、肩の高さが地上から約150~190cm・体長は250~310cm・体重600~1000kgほど、角部分だけで80cmにも達するという、大型のウシ科の動物です。家畜ウシの祖先種で、原牛とも呼ばれます。

全体の毛色は黒褐色ですが、背中には明るい色の正中線(鰻線 / まんせん)・口の周りは白色(糊口 / のりくち)、角のあいだに黄色味がかった巻き毛が生えているのが特徴の動物です。

野生の動物として、アジアの大部分や北アフリカ・ヨーロッパなど広く分布していたといわれています。

しかし、オーロックスは1627年、ポーランドのヤクトロウカという森で最後の一頭が死んで、絶滅が確認されました。(※1)

オーロックスが家畜化され現代の家畜ウシが生み出された

元々オーロックスは、野生動物として暮らしていました。その後、西アジアのイラン高原北部で、人間が野生のオーロックスを捕えて飼ったのが家畜化の始まりです。

野生のオーロックスを飼い始めた理由は、大きく2つだと考えられます。

  • 宗教説:祭りの捧げ物にするため
  • 経済目的説:狩猟生活の不安定さを避けるため

家畜化されたオーロックスから生み出されたのが、家畜種のウシです。交配が繰り返され、亜熱帯・熱帯・寒帯・温帯といった気候に適した品種の家畜ウシが、世界各地で飼育されるようになりました。(※2)

オーロックスが絶滅した理由

オーロックスは、生息地の森林の開発で住む場所を失っただけでなく、家畜化されたりやたらに狩られたりしたことが、絶滅の理由だと考えられています。

中世(11世紀後半から16世紀ごろ)の時代以降は、すでにヨーロッパで森林の伐採が進み、生息域が狭められていました。

そのうえ、その大きく力強い見た目から、ヒトが力を誇示するため、道楽目的の狩猟対象として多く狩られていたようです。

日本でもオーロックスは見つかっている?

中世以前は世界の広い範囲で分布していたとされるオーロックスですが、日本では「岩手のオーロックス」といわれる原牛の化石骨が見つかっています。

岩手県南部にある花泉村(現:一関市)で、1927年5月に農家の人が井戸を掘ったところ、おびただしい数の獣骨が発見されました。

獣骨は調査を重ねられ、ハナイズミモリウシやナウマンゾウ・オオツノジカ・ヘラジカなどの化石骨が出土されたとわかっています。

その中で最も多く出土したハナイズミモリウシの中には、原牛(学名:Bos primigenius)の化石骨が含まれていたそうです。

出土した原牛の化石骨は、当時の岩手県畜産試験場長が「岩手のオーロックス」とよび、注目を集めました。

また、化石骨の中には肋骨で人為的に作られた狩猟具のようなものが見つかり、同じ時代に人間が存在し、原牛が狩猟の対象になっていたこともわかっています。(※3)

世界に残されたオーロックスの資料

オーロックスは化石骨や角が出土しているほか、人の手によって描かれた絵画などが残されています。

貴重な資料のひとつとして残されているのが、オーロックス全身の写生画です。19世紀のはじめ、ドイツの古本屋で、イギリスの動物学者であるハミルトン・スミスが見つけました。

現在、原画はなくなっており、複製が資料として残っています。

また、岩手県奥州市にある牛の博物館には、オーロックスの下顎の標本が展示されています。

平らな歯は、草原などで生活する草食動物として、食物繊維を食すため理にかなった形状であることがわかります。

ラスコーの壁画に描かれたオーロックス

オーロックスの存在を形として現代に残しているものの中に、ラスコーの壁画があります。ラスコーの壁画は、フランス南西部のヴェゼール渓谷にある洞窟内に残された壁画です。

紀元前2万年~紀元前1万年(マドレーヌ期)にクロマニョン人が壁画を描いたといわれており、1979年には世界遺産にも登録されています。

ラスコー壁画に描かれたウシはオーロックスであり、大きく立派な角や、角のあいだに生えた巻き毛、黒・茶褐色の毛色などといった特徴を感じられます。

studio.(スタジオドット)AUROCHS事業本部の名前も、オーロックスに由来します。

studio.(スタジオドット)AUROCHS事業部ロゴ

弊社、studio. (スタジオドット)株式会社の「オーロックス事業部」は、人類最古の絵画だといわれていた“ラスコー壁画”に描かれているオーロックスに由来します。

人類最古と言われる絵画の躍動感や生命力に、現世の芸術家は「人間の造形芸術は進化しない」と悟ります。私たち絵に携わるアニメ制作人もまた、未来に受け継がれる作品を残したい。

そんな想いをロゴマークに込めています。

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(※1)参考:牛の博物館第29回企画展|大地に生きるウシ─究極の反芻獣─

(※2)参考:奥州市 牛の博物館|展示物の説明書より

(※3)参考:牛の博物館|モノが語る牛と人間の文化②岩手の牛たち