AUROCHS

アニメ業界はブラックって本当?社員インタビューVol.2 若手社員編

アニメ業界を目指す若い世代に向けて、業界の良い部分も悪い部分も隠さずに発信したい」というコンセプトで社員インタビューを連載している本シリーズ。今回はオーロックス事業本部の若手社員、制作担当の宇佐美さんのインタビュー記事をお届けします。宇佐美さんは社内で最も若手にあたる20代前半の新入社員です。アニメ業界での働き方について、率直な意見を語っていただきました

アニメ制作に幅広く携わる
「制作」という業務

・現在の業務内容について教えてください。

「職種は『制作』になります。アニメーション制作の各工程をまとめたスケジュールを作ったり、アニメーターさんへのお願いを連絡したりする仕事です。外部とのやりとりも多いので、営業スタッフのような要素もある職種です」

・アニメ業界に入る前の経歴について教えてください。

「昔からアニメが好きで、美術系の専門学校でイラストレーションなどを勉強しました。一旦は『あくまでアニメは趣味として楽しもう』と区切りを付け、食品の外販をする会社に就職したのですが、これがなかなかハードな環境で(笑)自分のキャリアに悩んでいたところ、ご縁があり弊社に入社しました」

・実際に入社されて、大変な点は何ですか。

「クリエイティブ業界はハードワークな印象があったので覚悟していましたが、やはり常に忙しいですね(笑)納品日前は遅くまで残って仕事をする必要があるので、結構大変です」

業界未経験でも安心
先輩社員のサポートで成長できる

・今までで一番大変だった経験は何ですか。

「うーん……とある作品のリテイク(修正箇所などを確認する工程)作業では、大量のリテイクを3~4日で終わらせる必要がありました。私は入社から日が浅かったのでサポート作業が中心だったのですが、それでも延々と作業が続いて大変でした」

・幅広い業務を担当する、制作ならではの大変さですね。

「特に弊社は手書き環境で作業されるアニメーターも多いので、デジタルと手書きで異なるチェック作業を行う必要があります。手書きのアニメーターがたくさん所属している点は弊社の大きな強みですが、制作の立場からすると、時にはそれがちょっと大変だったりします(笑)」

TOPICS
オーロックス事業本部の特長

近年のアニメ制作スタジオではデジタル作画が主流になり、手書きの作画環境が減少しています。
一方、オーロックス事業本部は手書き作業に精通したベテランアニメーターが多く所属しているため、手書き作画とデジタル作画の双方の環境が整っています。

これにより、若手アニメーターはベテランの技を身近に見ることで成長につながると共に、アニメ制作会社としての強みになっています。

・studio. の特長といえば、アニメ制作以外の事業も展開しています。これらの事業部との関わりはありますか?

「いえ、基本的に他の事業部の業務は行いません。執行役員の方などは業務で関わることもあると思いますが、制作系の社員はアニメ制作の業務に集中できます

・先輩のサポートなどはいかがでしょうか。

「入社後に簡単な研修があり、その後は先輩社員の方がお一人、直属の上長のような形でサポートしていただきました。皆さん良い方ばかりなので、私がミスをした際も『次からはこうすれば大丈夫だから』とやさしく教えていただけます。なので、それまで業界経験の無い方も安心して働けると思います」

時には休日出勤も
業務の大変さと、
オーロックス事業本部の取り組み

・アニメ業界は長時間労働のイメージを持たれる方も多いと思いますが、入社前に不安はありませんでしたか?

「私は『クリエイティブ系の働き方なら、そういう部分もあるだろうな』と考えていたので、今の働き方を受け入れるのも早かったと思います」

・残業がある時はどのくらいまで作業されるのでしょうか?

「自分のシフトは朝番なのですが、他の作品のお手伝いが必要な時は22~23時まで残ることもあります。残業した次の日は、やはり体力的に大変ですね」

・休日出勤が発生する機会もありますか?

「作品のスケジュール上、必要な場合もあります。やはり作品を完成させるためにはやむを得ない事情もあるので、必ず土日を休みたいという方にはおすすめできる業界ではないかもしれません。逆に言うと自分の作業を平日中に終わらせられれば、自分の時間を確保できると思います」

TOPICS 
オーロックス事業本部では、より働きやすい環境をつくるため、様々な取り組みを実施しています。

・シフト制度
「朝番」「夜番」の2つから、働く時間を選択できます。

・リモートワークの併用
通勤に時間がかかる方などを対象に、特定の曜日にリモートワークを導入できます。
例:月~水まで出社、木・金はリモートワーク

・働き方に関して、改善したい点はありますか?

「弊社は自分が一番年下なので、もっと若い人が増えたら嬉しいですね。あとは収入面でしょうか。私が入社する際に交渉していただいたおかげで一般的な額面にしていただいたのですが、固定残業制なので長時間残業してもあまり関係ない点がやや不安かなと……あとは、みんな『ボーナスが欲しいね』と言っています(苦笑)」

・その他、女性支援などの点はいかがでしょうか。

「育休はいただけると聞いています。うーん……今のところ予定は無いですが、もし出産したら、復帰後に今のような働き方はできないだろうなあ、と感じます。これは性別というより、会社の人数や制作体制の話になってしまうので難しいのですが。例えば私が育休に入ったとしたら、今の体制でカバーできるのだろうか?という不安はあるので、その時はよく相談するつもりです。」

アニメ制作の最前線を体験できるのが魅力
長編作品やオリジナルにも挑戦したい

・大変な部分もある中で、アニメ業界で働く楽しさを感じる瞬間は何ですか?

「私も入る前までは知らなかったのですが、ひとつのアニメができあがるまでに、本当にたくさんの人が関わっているんですよね。ラフの状態からレイアウトを作り、絵を整えて原画になって、動きを繋げる人が動画を作り、色を塗って、撮影さんが絵をつなげて、編集さんが音響を合わせて……と、たくさんの工程を経て少しずつ完成していきます。このような、アニメが出来上がるまでの工程を間近で見れることが何よりの面白さだと思います」

・最後に、今後の目標はありますか?

「入社して以降、ずっとショートアニメのシリーズを担当しています。なので今後は映画作品など、もっと大型の作品に関わっていきたいですね。あとは、オーロックス事業本部のオリジナル作品にも携わりたいです。実は弊社が元請を担当する作品企画もあるので、今後の情報発表を楽しみにしていただければ嬉しいです。

studio.株式会社では、アニメ制作現場の労働環境改善に取り組んでいます。
依然として課題は多いものの、より安心して働くことのできる環境を実現するため、
日々取り組みを続けて参ります。